こんにちは、とびうお(@tobiuo89098360)です。
突然ですが、競売物件ってご存知ですか?
競売と書いて、「けいばい」と読みます。
競わせて売却させる物件で、毎月裁判所が公表している強制売却物件のことです。
なぜ強制売却させられるのか?
理由の多くは以下の3点。
競売にかけられた方のエピソードは過去記事で詳しく紹介しています。
競売物件は、市場に出回る物件と比較すると2割〜3割ほど価格が安くなるケースが多い。
本日は、過去2年で5軒の競売物件を落札、販売を行った私が競売物件の購入について解説していきます。
はじめてのマイホームに競売は不向き
結論から申し上げます。
はじめてのマイホームに競売物件を選ぶのはハードルが高すぎるため、全くおすすめできません。
詳しい理由は、後述しますが「安く買える」という唯一のメリットがある一方でたくさんのデメリットがあるからです。
「どうしても気に入った競売物件がある」
という場合は、経験豊富な不動産会社に代理入札をしてもらう方法が無難でしょう。
競売物件を取り扱わない不動産会社も多いので事前に実績を調べておくことが大切です。
メリット・デメリット
唯一のメリット
市場価格よりも安く買えることが多い。
しかし、最近は入札者数が増え、徐々に落札価格が高騰し始めており、競売ならではのうま味が低下してきております。
競売ではありませんが、「0円物件多数!激安ボロ戸建ての探し方」を記事にまとめましたのでご覧ください。
デメリット
購入した物件には何の保証もない
物件に生じた設備の不具合、落札して見に行ったら人が亡くなっていた。
こんなときも保証はありません。
全て自己解決しなければなりませんから注意が必要。
私も過去に苦い思いをしました。
落札した物件を見に行ったところ想像以上に程度が悪く、当初はリノベーションして売ろうと計画していた戸建てを解体して土地として販売したこともあります。
正直ほとんど利益は出ませんでした。
室内を確認できない
落札し、自らが交渉に行くまで内覧することはできません。
しかし、先輩の知り合いの営業マンでこんな強者がいたそう。
その営業マンは競売にかかっている物件を訪問し、「裁判所の方から来ました」と言って見事に内覧させてもらったそう。
なぜ見せてくれたか分かりますか?
とんちのような話になりますが「裁判所の方角から来ました」を「裁判所の方から来ました」と言って内覧させてもらったそう。
引き渡し義務がない
所有権という物件を所有する権利は、裁判所が責任を持って移転してくれます。
ただし、物の引き渡しは話が別。
自ら立退交渉に行き、引渡しを受けなければならない。
交渉の末、前所有者が出ていかなければ強制執行(法的に強制退去させる措置)をするしかありません。
強制執行は、引き渡しまでに最低2ヶ月程度かかりますし、費用も発生するのでできれば話し合いで退去してもらう方が得策です。
余分な費用がかかることが多い
立退費用
住み替え先の初期費用程度を用意してあげて早めに出て行ってもらうことがあります。
費用は家族の人数によって異なりますが、10万円〜30万円程度支払って出て行ってもらったことがあります。
必ずしもお金を出すわけではなく、交渉次第ではすぐに無償で出て行ってもらうこともあります。
ゴミの処分代
本来ならゴミまで処分して立ち退いてほしいところだが、前所有者はお金がないため、落札者が負担するケースもある。
最も優先されるのは、人の移動。
居座られて事件事故でも起こされたら資産価値はガタ落ちします。
ですから、ゴミは二の次になってしまうわけです。
戸建てのゴミ屋敷で50万円、マンションのゴミ屋敷で28万円程度かけて処分したことがあります。
なお、ゴミの中にお宝があることも多々あります。
大きくて重いソファや冷蔵庫、テーブルなどは出張買取がとても便利。
処分するとリサイクル料などを取られる一方で、出張買取ならものの数分で現金化できる。
管理費・修繕積立金の精算(マンション)
これは競売に限った話ではありません。
マンションの場合、前所有者が滞納した管理費・修繕積立金は買った人に引き継がれます。
滞納の事実を知っていようがいまいが関係なく引き継がれます。
「なんで人の滞納したお金まで負担しなければいけないのか」
という怒りの声が聞こえてきそうです。
マンションの場合は、「計画的な維持修繕の費用の積立てができる」ように規約により定められています。
ですから、中古マンションを購入する際は、滞納がないか確認しておかないと後で痛い目をみることになります。
※通常、不動産会社が調査して重要事項説明時に滞納の有無を説明してくれます。
私が最近落札したマンションでも滞納状態が続いていたいたため、50万円ほどの滞納金をすぐに精算しました。
得られる情報が限られている
競売物件の情報はBIT(不動産競売物件検索サイト)で公表されている。
情報源は、本サイトで取得できる「3点セット」のみ。
少ない情報から多くを読み取らなければならない。
競売物件の調査方法
3点セット 編
BIT(不動産競売物件検索サイト)から3点セットを取得する。
3点セットはだれでも無料でダウンロードできます。
中でも注目は、「現況調査報告書」の中にある3つの項目です。
占有者(滞納者)が執行官(調査員)に対して、どのような受け答えをしているか何と言っているかがわかる数少ない情報源。
私は所有者の発言に違和感を感じたら入札することをやめます。
直接占有者と話ができているのか。
一度も連絡が取れていないのか、どうやって室内に入ったかなどの履歴が載っている。
唯一室内の様子が確認できます。
歯ブラシの数や靴の数、コップの数などで家族の人数を予想。
これで立退費用の予算を計算します。
どのくらいのリフォーム費用がかかりそうか築年数や写真で判断をします。
残念なことに写真の枚数は少なく、画質も悪い。
さらにプライバシー性の高いものは黒塗りされていて見ることができない。
(裁判所に行けば黒塗り前の写真が確認できます)
現地確認 編
居住者がいなければ敷地内に立ち入ります。
私は万が一所有者と鉢合わせになったときのためにチラシを持ち歩きポストを探しているふりをしながら外観を見ています。
また、自転車があればステッカーが貼られていないかチェックします。
これで子どもの通う学校が特定できます。
また、ポストの詰まり具合や電気メーターの動きを見て居住の有無を判断したりします。
近隣ヒアリング 編
お隣の家が競売(強制売却)にかかっております。
私は購入を検討しているのですが、少しお時間よろしいですか?
と尋ねていき、以下の6点を必ず確認しています。
個人情報だからご近所さんも教えてくれないのでは?
確かにそういう方もいます。
しかし、管理不十分な家が放置されると心配。
変な人に来てほしくない。
という不安から高確率で教えてくれます。
体験談
競売物件の落札日は毎回ドキドキします。
開札方法はシンプルで執行官が「全部で⚫︎件の入札がありました。下位から順に氏名、住所、入札価格を読み上げます」とアナウンスが入る。
順番に読み上げられ、価格が低い人から脱落していく。
自分の名前が呼ばれることなく、残り2人の入札者まできたときの2位発表の瞬間はドキドキが最高潮になる。
長年好きだった人に告白をする寸前のような緊張感だ。
これが開札時の楽しみ方。
話は変わって、マンションの前所有者について。
元々家族5人で居住していたようだが、事業に失敗してマンションを差し押さえられてしまったそう。
マンション関係者によると、1年以上姿を見ていないとのこと。
相手がいない以上、立退交渉もできないためすぐに裁判所へ行き、強制執行の手続きを行った。
数週間後。
裁判所の執行官、カギ屋さん、私の計3名で催促(強制的に鍵を開ける日)に伺った。
「どうか人が亡くなっていませんように!」
と願いながら室内に入ると、中にあったのはゴミの山。
3点セットでゴミがたくさんあることは確認できていたため大きな問題ではないが、冷蔵庫を開けると卵が爆発し、ハエが舞出てくるのには驚いた。
実はこの物件、現在も絶賛ゴミ処理中。
リフォームして販売する段階まで進んだら、次回は入札方法や取得までにかかった費用を具体的に紹介していきたいと思います。
競売マンション販売の続きはこちら
おわりに
いかがでしたでしょうか?
なかなかマニアックでスリルのある分野かと思います。
読み返してみると、デメリットばかりのご紹介になってしまいましたが、
「とにかく安く買いたい」
「投資用として買う」
「販売して利益を出したい」
という方にはおすすめです。
また、裏を返せば無理してマイホームを購入すると、私やあなたのマイホームが差し押さえにあって競売になる可能性もあります。
マイホームのご購入は、「目的」と「優先順位」をしっかりと決めて、無理なく返済できるプランを立てることが大切です。
「お金」「住まい選び」「進め方」を無料で相談したい場合は、LIFULL HOME’S 住まいの窓口が気軽に相談できて便利です。
今後も皆様のマイホーム探しのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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